いわゆる思考法の本。
これまでクリティカルシンキング的なビジネス本はたくさん読んできたので最近ほとんど手に取らないのですが、いつも読んでいるちきりんさんのブログっぽいヒネリを期待して買ってみました。結果的にはオーソドックスな「考え方」の本だったものの、理解しやすくアタマのジョギングに役立ちました。
頭の体操として、章ごとの内容をあえて一文にあらわしてみます(本の見出しとは異なります)。
序) 知識(過去)と思考(未来)を区別する
1) 「決めるプロセス」を明確にする
2) 「なぜ?(理由・原因)」「だから何?(影響・結果)」を問う
3) 考えモレをなくす…要素に分解する
4) 表にして比較する
5) 判断のフィルターを絞る
6) レベルをそろえる
7) 判断のフィルターを見つける
8) (要素に分解して)視覚化してみる
9) もっと視覚化する
10) 思考の棚を作り、知識をしまう
印象的なのは、「考える」とはインプットをアウトプットに変換することだ(「作業」を「思考」と思い込むな)と強調していること。これは類書ではあまり触れられていないことではないでしょうか。
さらに大掛かりな(?)フレームワークではなく、簡潔で使いやすい方法を紹介していることもポイントが高いです。どうせなら思考プロセスの例示を人口問題というような大きなものではなく、すべて個人の問題(婚活の例みたいな)にスケールダウンすればさらに特色が出たのかもしれません。
話を戻すと、たとえば問題解決をしていくには
1.事実を把握する(情報収集・整理)
2.問題の根本原因を抽出・仮説立て
3.制約条件を検討
4.解決案を検討
5.実行
というような段階を踏んでいくと思うのですが、上記1)-10)をあてはめていくと(かなりいい加減ですが)、
まず1)「決めるプロセス」を明確にする
次に
1.事実を把握する(情報収集・整理)
3)考えモレをなくす…要素に分解する
8)(要素に分解して)視覚化してみる
6)レベルをそろえる
9)もっと視覚化する
2.問題の根本原因を抽出・仮説立て
3.制約条件検討、4.解決案検討
5)フィルターを絞る
5.実行
という感じかなと理解できます。
さて、「ほんとうに自分のアタマで考えるってこういうことを言うのかな?」とか「この考えること自体が誰かの思考のうえに乗っているだけではないか?」なーんて疑問(仏教的問い?)を持つ人もいるかもしれませんが、あくまでもビジネス上(あるいは個人的日常)に役立てる思考訓練・あるいは思考様式と割り切ればいいのではないでしょうか。
ジョギングは継続してこそ体力がつくように、やり方を「知っている」ではなく訓練を続けることで地力がつくのでしょう。とにかく「やってみる」ことだと思っています。
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さらにビジネス系を深めるなら、戦略コンサル系の人が書いたやつをどうぞ。
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