【WordPress】オンライン予約システム(プラグイン)導入までの検討事例

2017年9月14日

以前、制作を請け負ったWordpressサイトでオンライン予約システムを導入しました。

そのときプラグインを調べてみて感じたのですが、まだまだ情報が少ないうえに英語表記だけのものも多く、使い勝手やセキュリティリスク等のチェックも含めて相当な時間がかかりました。

そこで、どなたかの参考になればと思い、メモ程度になりますがまとめてみました。
(内容は調査当時のものです。プラグインは随時アップデートされており変わっている可能性があります。また、以下ではセキュリティリスク等に関しては触れません。)

オンライン予約の種類

オンライン予約システムには、大きく分けて二種類のカテゴリがあるようです。

  1. スケジュール型(イベント型)
  2. あらかじめ日(時間)が決まっているもの。

  3. タイムテーブル型
  4. 時間設定を自由に選べるもの

そこで、自分の条件にそって、どちらを選択するかを決めていく必要があります。

自分の条件にそって必要な機能・要件を挙げる

今回の選定にあたって、先方から

  • できるだけ低価格で(できれば定額のランニングコストが発生しない…いやできたら無料のもの)
  • ITにあまり馴染みがない人でも利用しやすい

という要望が挙がりましたが、「そんな都合のいいものはありません!(ピシャリ)」とやわらかく伝えました。
いいものを安くというのは誰もが望みますが、その条件に合ったものを探すための時間コストは比例しますからね。
で、あらためて要件をまとめてみました。

  • 柔軟に時間設定ができる(タイムテーブルが作成可能)
  • 複数メニュー(内容・プライス・時間単位)を作成可能
  • 顧客からのユーザーインターフェースが日本語で操作できること
  • (もちろん)スマホ対応
  • 決済機能はついていなくてもよい。

そしていろいろ調べていったのですが、予想以上に、ひとつずつインストールしたりインストラクションを読んだりするのにめちゃめちゃ時間かかりました(*´ω`*)ヤッパリ

さて、そのサーチ結果やいかに!

Appointment Booking and Online Scheduling by vCita


WordPress.org プラグインページ
プラグインホームページ

  • 導入に際して、説明は英語だが管理部分でのユーザーインターフェースは直感的に操作できるためわかりやすい。
  • ただし顧客からのユーザーインターフェースも英語

インターフェースが英語だと導入できる対象顧客が限られてしまいます。
日本語化は可能かもしれませんが、いろいろ手間なので、とりあえず次。

Pinpoint Booking System


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  • PRO版(有料50ドル)じゃないとカレンダー等の追加ができない。PRO版を使えば、日本語に翻訳可能のよう。
  • たくさんカスタマイズしなくちゃいけなさそう。

CP Appointment Calendar


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プラグインホームページ

  • 英語の設定画面だが、導入まではわりとわかりやすい。
  • フリー版はペイパルの使用が前提で、ペイパルなしでいけるのはプロ版(有料)のみのよう。
  • フォームビルダーとの同時使用が前提?フォームビルダーはフリー版はないようだ。
  • 有料でもメリットに見合えば使おうと考えるが、テストするのに敷居が高くて価値がわからない。

Booking Calendar


WordPress.org プラグインページ
プラグインホームページ

  • スケジュール型で、時間設定に柔軟性がないっぽい。

Booking calendar – Booking System(Booking Calendar WpDevArt)

スケジュール型のよう(そうわかったところで次)。

WP Booking System


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プラグインホームページ

  • ユーザーインターフェースがわかりやすい。
  • フリー版で作れるのは1つのカレンダーのみ。$34でプレミアム版にすれば、多様な機能が使えるようだ。
  • が、もともとスケジュール型に作られているらしく、カスタマイズがしんどい印象。

Booking Ultra Pro Appointments Plugin


WordPress.org プラグインページ
プラグインホームページ

  • ユーザーインターフェースがわかりやすい。
  • 空き時間の確認はしやすい
  • 時間設定の単位があらかじめ決まっているようで、サービスごとに時間の長さをカスタマイズできるか要確認。
  • 日本語化可能か要確認。

ここらへんまでで、サービスを提供する時間に柔軟性をもたせたいときに、けっこうカスタマイズがたいへんそうだという印象を持たれたのではないでしょうか(*´ω`*)
いやいや、あるんですよ(ってもっと早く出さんかい)

Salon Booking


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プラグインホームページ

  • 日本語対応可能(日本人の作者さんです)
  • 導入までの設定とインターフェイスがちょっとわかりづらいか?つまりその分機能が豊富
  • サービスメニューごとに細かな時間設定が可能。
  • 多機能だけど無料

Salon booking system


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プラグインホームページ

  • Salon Bookingと名称が似ているけれど違うもの
  • まず日時を選択後に、サービスメニューを選択する
  • 支払いに関するアドオンがあるが、他の機能的には無料版も同じ。しばらく無料版でいけそう(100予約まで可能。タイムリミットなし)
  • 有料になると69ユーロ/年
  • インターフェースはわかりやすいが英語なので、日本語化できるか?多言語化プロジェクトサイトあり

Online Lesson Booking


WordPress.org プラグインページ
プラグインホームページ

  • 30分、60分などのあらかじめ区切られた「コマ」を予約
  • マンツーマンサービスの予約に適しているとのこと
  • 現実的にはこのプラグイン単体での使用はできず、多くの機能拡張モジュールが必要のようだ。最低限きちんと運用するには初期費用12,3万必要か?(※)

※たとえば異なるサービスを設定したい場合、OLB拡張フォームモジュール(約2万)で、「予約フォーム」に「レッスンコース選択」項目を追加する必要がある。プラス、最低でも月間スケジュールモジュールを使うのに約5千円。講師(またはサービス提供者)が複数いる場合、また別のモジュールが必要(講師抽出モジュール(約5千円))。予約フォームにコメント記入欄を追加するために約5千円。拡張メールモジュール(約2万)、講師別通知文モジュール(約2万)、全体スケジュール モジュール(約5千円)。

MTS Simple Booking


プラグインホームページ

  • 以前使ったことのある日本語予約システムのプラグイン
  • WordPress.orgの公式プラグインページに登録されていない(非公式)
  • プラグインの更新履歴が4年以上に渡り、今後も安定的に更新される可能性が高い
  • 無料版とビジネス(有料)版がある(有料版の金額は見積請求者のみ返信されるので不明)
  • 無料版では、複数の予約品目が同一カレンダーに表示されない(別カレンダーになる)ため、利用者(客)側から見るとわかりにくいかも
    →有料版で解決

機能の追加を検討する

既存のプラグインで満足できない場合、作ってしまうのも選択肢のひとつでしょう。

けれど今回はパスでした(いいプラグインが見つかったので)。

外部のASPなどを利用する

予約機能のみ外部サービスを利用するのもありだと思います。

Coubic (クービック)


クービックWEBサイト

  • 無料の場合は広告とCoubicとの表記がなされる。
  • サンプルをテストしてみたが、「予約申請を完了すると、利用規約に同意したとみなします。」「次ページでお名前などの連絡先情報を記入して、予約を完了してください。次ページにおいて記入していただく個人情報は、予約管理(ご本人への連絡を含む)等の当社が取り扱う事業全般のご案内等のために利用させていただきます。」
    との表記が。当社とはCoubicだろう。顧客情報がCoubic側に使われる懸念…有料ならばそれがなくなるのか今ひとつつかめず

検討まとめ

検討の結果、今回はSalon Bookingを採用することにしました。
条件によって各プラグインも使い勝手が違ってきますので、いろいろ探してみてはいかがでしょうか。